テレワーカーにとって環境整備は目下の急務
テレワークが普及したポストコロナ社会において、自宅はプライベートな居住空間というだけでなく、社会的な経済生産の空間としての性格も持つようになりました。日々自宅でビジネスを追求する方々にとって、自宅の仕事場は、これまで以上に働きやすく、能率の上がる場にアップデートしていくことが求められます。
行動遺伝学が明らかにした遺伝と環境が人間に与える影響の割合についてご存じでしょうか。例えば成人期初期のIQは70%程度が遺伝によって定められ、残りの30%は環境によって発達するものであることが知られています。また勤勉性や開拓性といった側面については、遺伝子によって決定されるのはわずか50%程度に過ぎず、残りの半分は環境次第でどうとでもなるということが判明しています。
テレワーク時代において、この研究結果は我々ビジネスマンに何を示唆しているのでしょうか。
それは「人間が環境から受ける影響は非常に大きく、テレワーク時代においては、そのように自己の発達に大きく関わる環境づくりが、全て個々人に委ねられている」という点です。
ポストコロナは、このように良くも悪くも以前より「個」が立つ社会です。自らを管理し、自らを奮い立たせるのもまた、自分です。
今回はそんなテレワーク時代を生き抜く多くの社会人に向けて、デジタルグッズを導入することにより、より快適・効率的に働ける自宅環境を整備していただけるよう、その選び方といくつかのおすすめのグッズをご紹介いたします。
(参考元:講談社現代ビジネス 「遺伝か環境か 不毛な議論に終止符〜なぜその努力は報われないのか」https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53876 )
テレワーク時のデジタルグッズを選ぶ際のポイント
では”仕事の能率を上げる環境”とは具体的に何を指すのでしょうか。
その一つはデジタル環境、主にPC環境です。テレワークでの業務はほとんどの場合、PC上で行われます。仕事のメインツールであるPC環境≒デジタル環境を快適に整えることは、モチベーションや能率に直結します。
そしてもう一つは仕事場、つまり仕事をする空間のことを指します。例えば机や椅子、照明やアロマなど、仕事をする上で身体に負担をかけない、快適な空間を作り上げることもまた、生産性を高める上で重要です。
ここでは、この二つの「環境」のうち、前者の「デジタル環境」について、取り上げることとします。
(なお、後者のよりマクロな環境整備についてはこちらのページで取り扱っているので、気になった方はぜひチェックしてみて下さいね。
SmartHome.jp 自宅でスキルアップ!ホームスクーリングのすすめ )
それでは、快適で効率的に働ける、テレワークに特化したデジタル環境を作るために、まずは出社勤務とテレワーク勤務の相違点を理解する必要があります。
出社勤務にはないテレワーク勤務独自の特性として、
- デジタルグッズを持ち運ぶ必要がないこと
- スムーズなコミュニケーションが求められること
の2点が、大きく挙げられます。
一つ目のデジタルグッズを持ち運ぶ必要がない点は、言い換えれば据え置き型の、より大きく性能の高いデジタルグッズが導入できるようになるということです。例えばPCのディスプレイを大きくしてみたり、イヤフォンではなくヘッドフォンを使ってみたり、出勤時にはカバンに入らなかったものが自宅に据え置きできるようになります。「持ち運ぶこと」からの解放は、デジタルグッズ選びにさらなる選択肢を与え、より快適な仕事の環境を生み出します。
二つ目のスムーズなコミュニケーションが求められる点は、テレワーク独自の課題と言えますね。打ち合わせも、会議も、商談も、テレワークでの顔を合わせてのコミュニケーションは全て、オンライン上で行われます。特に頻繁に用いられるZoomなどのビデオチャットツールには、マイクやスピーカー、カメラなどの周辺機器に加え、快適な通信環境も必要となります。
以上のことから、テレワークをより快適に、能率良くするためには、
- 携帯性を度外視した性能重視のデジタルグッズ
- オンラインでのコミュニケーションをよりスムーズにするデジタルグッズ
これらの導入が、欠かせないと言えるでしょう。
テレワークにおすすめのデジタルグッズ紹介
では先に挙げた2点の特徴をもとに、具体的に導入を検討すべきデジタルグッズと、あまたある製品の中での一押しをご紹介していきます。
1.ヘッドセット
コロナ禍以前の社会では顔を合わせて行えていたコミュニケーションも、今や画面を隔てて行われることが普通になりました。それには場所を選ばずに会話ができるようになったというポジティブな点もありますが、同時にそれを支える技術無くしては円滑なコミュニケーションが取れないといったネガティブな点を生むことともなりました。
通話時の音声についてはまさにこれが当てはまるでしょう。今や音声通話が最低限の業務連絡だけではなくビジネスが行われる場へと変換を遂げており、入力=マイクと出力=スピーカーの性能は業務の能率に直結します。
ではそんな音声通話を支える技術のひとつ、ヘッドセットの選び方とおすすめの製品について見ていきましょう。
基本的に、マイクとスピーカーの性能はイヤフォンよりもヘッドフォンが優れています。出社勤務であれば持ち運びに難があるため好まれない形状ですが、テレワークともなると話は別です。自宅に据え置きできるので、大きくて折り畳めなくても基本的に問題はありません。加えて、住空間から仕事場への切り替えには、ノイズキャンセリング機能も大きく貢献してくれます。
以上を踏まえ、純粋なマイクとスピーカの性能と、スイッチを入れるノイズキャンセリング機能、そして気分の乗るデザインのものを選ぶと良いでしょう。
おすすめの製品はこちらです。
製品名:Bose Noise Cancelling Headphones 700 (BOSE)
価格 :¥46,750(公式サイト)
BOSEはマサチューセッツ工科大学がその株式の半分以上を保有しているアメリカの会社で、日本でも広く普及しています。家庭用の製品の他にもカーオーディオに定評があり、日本国内ではマツダや日産、国外ではポルシェやルノーなどが採用しています。業務用のヘッドセット業界でもその技術は好評を博し、アメリカ海軍への導入実績も持っています。
この製品の特徴として、クリアな入力音声と、空気の変わるようなノイズキャンセリング機能、そしてBOSE製ヘッドフォンの中でも群を抜くスタイリッシュな見た目が挙げられます。
まずはマイクに関してですが、この製品には4つのマイクが搭載されており、それらがそれぞれ集音することにより、周囲の雑音を取り除いたクリアな声音を通話相手に届けてくれます。自分の音声がくぐもって聞こえ難くては、せっかくの良いプレゼンもアドバイスもなかなか相手には響いてくれないでしょう。しかしこの高性能マイクなら、そんな心配は無用と言えるでしょう。
次にノイズキャンセリング機能です。使用者によって効果の感じ方が異なる機能であるため一概に言える事ではないですが、一般的には、この製品のノイズキャンセリング機能は本当に効きが強いとされています。つけた瞬間に外部音を完全に遮断できるので、特に世帯のある方には適しているでしょう。音声通話時もそうでない時も、このヘッドフォンが静寂と集中力をもたらしてくれそうです。
そしてデザインについてです。このヘッドフォンは折り畳むことができないのですが、それが同時にヘッドフォンの最大の武器でもあります。折り畳みを想定されていないヒンジのないボディはなだらかで、高級感に溢れています。孤独なテレワークを支える艶やかな相棒として、気分を上げ続けてくれること間違いありません。
【BOSE NC700 販売ページ】
2.モバイルディスプレイ
次におすすめしたいのがサブディスプレイの導入です。タブレット型の液晶端末で、OSが入っていないため安価ですが、ディスプレイ=作業机が増えるだけで、業務効率は飛躍的に向上します。
そのサブディスプレイの中でも特におすすめしたいのがモバイルディスプレイです。廉価版だと1万円から、フラッグシップモデルでも5万円程度で購入でき、サブディスプレイの中でも導入しやすい製品となっています。数年前からよく店頭で見かけるようにもなり、マルチディスプレイ導入の足がけとして人気を博しています。
基本的な使用方法は、USBコードでパソコンとディスプレイ本体をつなぐだけ。面倒な設定もなく簡単に始められる点がとても魅力的ですね。
また、そこからマルチディスプレイの快適さに気付いて本格的なサブディスプレイを導入することになるかもしれません。その場合でも、モバイルディスプレイは手元での資料確認用端末として、役に立ってくれることでしょう。
おすすめの製品はこちらです。
価格 :¥32,900 (amazon)
ASUSは台湾生まれで新進気鋭のPCメーカーです。グラフィックや製品デザインに定評があり、ゲーマーの間でも人気を博しています。
製品の特徴としてType-AとType-Cに対応したUSBケーブル1本でPCと接続でき、Windows PCとの併用であれば縦置きにも対応しています。
クールなデザインと確かな性能で、マルチディスプレイ・ワークの第一歩を踏み出すには適しているでしょう。
【ASUS MB16AP 販売ページ(amazon)】
https://www.amazon.co.jp/dp/B07JQS5JXH/ref=cm_sw_r_tw_dp_9H9HXVNXRFENRVD5BF85
3.Wi-Fi
そして最後にこだわりたいのが自宅回線を司るWi-Fiのルーターです。PCなどのWi-Fi対応機器をインターネットに接続させる役割を果たすルーターは、通信速度を決定づける要であり、製品の吟味が必須です。
これまではノートPCと一緒に持ち歩けるポケットWi-Fiなどを使用していた方も多いか洩れませんが、これからは自宅での作業に特化させ、これを機にネット環境を本格的に整備することをおすすめします。
自宅でのテレワークで気にしたい点は通信速度で、その通信速度を決定づけるのがルーターの通信規格とアンテナの数、そして接続の対応範囲です。
おすすめの製品はこちらです。
製品名:RT-AX88U (ASUS)
価格 :¥33,566 (amazon)
先ほども紹介したASUSの高性能Wi-Fiルーターです。Wi-Fi6(11ax)に対応した、外付けアンテナ4本のハイエンドモデルとなっています。最新規格となるWi-Fi6はネットワークの効率性と接続性を向上させ、高速な通信環境を提供してくれます。通信範囲も3階建、4LDKをカバーする性能で、設置場所を問いません。
また更なる特徴として、ASUS独自のセキュリティ機能 Air Protectionが挙げられます。オフィスでは厳重になされる情報管理もテレワークでは個人に委ねられるため、ルーター1つで情報漏洩対策ができることも大きなメリットになるでしょう。
【ASUS RT-AX88U 販売ページ(amazon)】
https://www.amazon.co.jp/dp/B07LG6TL8B/ref=cm_sw_r_tw_dp_J0FV5KGWZ334D2T72K7Z
まとめ
冒頭でも述べた通り、リモートワークにおいて、仕事の能率を向上させるデジタル環境の整備は急務となっています。
何をするにおいてもPCを介してのリモートワークでは、PCの他にもスムーズなコミュニケーションや快適な作業を支える周辺機器の果たす役割が大きいでしょう。ここで紹介した選び方とおすすめの製品を参考に、自宅での効率的で快適な仕事環境の整備に乗り出してみてはいかがでしょうか。