自宅でスキルアップ!ホームスクーリングのすすめ

社会人こそ自宅でスキルアップ

ポストコロナ社会では、ビジネスパーソンが実際に一堂に会するセミナーやビジネススクールが減少傾向にあります。会社のプログラムに組み込まれ、同じスキルアップの向上を目指すライバルと対峙して学ぶ、そんな機会が失われてきています。

ここで注目したいのが、自分と同じく、ライバルたちもそういう状況にあるという点です。つまり、これを好機と捉えて一歩踏み出しさえすれば、ライバルたちから頭一つ抜きん出ることができるわけです。

生産/消費が行われる場としての物理的空間が、環境に頼ることのできる共同的な性格を持つソーシャルなものから、より個々の活動が重視されるパーソナルなものへと移行を始めている現代だからこそ、自宅で主体的にスキルアップを図ることが大きな意味を持ちます。

今回は、ポストコロナ社会だからこそ取り組みたい、自宅でできるスキルアップについて、ご紹介していきます。

ホームスクーリングとは

ホームスクーリングという言葉をご存知でしょうか。これは学校に通学せず家庭を拠点に学習を行うことを指し、多くの場合児童教育の分野で用いられる語です。しかしポストコロナ社会では、もはやホームスクーリングは子どもだけのものではなく、社会人だからこそ注目したい学習の仕組みであると言えます。

セミナーやスクールに通学することと比べて、ホームスクーリングには数多くのメリットが挙げられます。多忙な社会人でも拘束時間を生むことなく都合の良いタイミングで学習を進められる点、集団ではなく個別に、より自分の学力に適したレベルでの教育が受けられる点、費用が比較的安価な点などがその代表的な例でしょう。

ひとえに自宅学習といってもその方法は様々ですが、ここではコロナ禍以前の対面セミナーやスクールでの講義に代わる、アカデミックな動画配信サービスについて紹介します。本ではなく動画から学ぶことの強みには、学習のハードルを下げたり、モチベーションを上げやすかったり、特定の分野においては動画と一緒に手を動かしたりできることなどが挙げられます。

セミナーやスクールに通うような感覚で、しかしそれらには達成できない特徴を持つ、コロナ禍の新たな「ホームスクーリング」という学習のカタチ。ここからは社会人がより効率良くスキルアップを図れるホームスクーリングについて、いくつかのサービスとその特徴を挙げてみます。

ホームスクーリングにおすすめの配信サービス

動画学習を中心とするホームスクーリングサービスは、その利用方法から主に1.買い切り型、2.定額型(サブスクリプション)、3.無料提供型の3つに大別できます。

1.買い切り型

買い切り型のメリットは、一度購入してしまえば何度でも見返すことができる点です。消費コンテンツ量が多くなければ定額型よりも安上がりなことが多く、また投稿者側の報酬もコンテンツの売り上げに直結するため、コンテンツ数が充実している傾向も見られます。

中でも「Udemy」という世界中の有識者と生徒を結ぶプラットフォームが代表的で、日本からも多くの講座が提供されています。

受講料金:一コンテンツあたり¥1,300〜¥24,000買い切り、無料の講座も有

講師  :大学院生、実務を積んだプロなど

カテゴリ:開発、ビジネススキル、財務会計、ITとソフトウェア、仕事の生産性、自己啓発、デザイン、マーケティング、趣味・実用・ホビー写真と動画、ヘルス&フィットネス、音楽、教育・教養

経験や学習を積んだ”教えたい人”が”教わりたい人”にコンテンツを提供するという自由度の高い形式をとっているため、コンテンツの数も種類も豊富なのが特徴です。ウェブ開発やゲーム開発などが人気で質が高いものも多いですが、写真/動画やデザインなどのグラフィックデザイン、ワインの分類やそれぞれの特徴などを扱った専門性の高い趣味の話、音楽史や楽器の弾き方についてなど、マルチなプラットフォームならではの講座が充実していることにも大きな魅力があります。

Udemyを利用する上で大事なのはセールを狙うことです。通常設定されている販売価格は5桁台のものも多く、他サービスと比べても高価に感じられる場合が多々あります。しかしセール時には定価から90%も値引きして販売されるコンテンツもあり、非常にお得になります。そのため、受講したいコンテンツを見つけたらリストに登録しておき、セール時にまとめて購入するのが賢い使い方です。

コンテンツが豊富で自由な分、中身の質を見極めることは大切になりますが、ユニークでバラエティに富んだラインナップは二つとありません。一部の講座には返金保証もついているので、まずは安心して、自分の好奇心をくすぐる講座を探すところから探してみてくださいね。

2.定額型(サブスクリプション)

定額型のメリットは一定額支払えば好きなだけ受講できる点です。パッケージだけを見て吟味するより、実際に受けてみて内容を判断できるのは、その大きな利点の一つですね。思いついたら即行動型の方にはぴったりで、ましてや多くの労力を伴う自主学習ともあらば、毎回購入の決断を迫られない特性は絶大な効果を発揮します。分野横断的に多くの講座をかいつまむことも、ハングリーに一つの分野を深掘りしていくことも自由で、好まれる人には非常に好まれるプランです。

今回例に挙げるのは、日本のビジネススクールが運営する「GLOBIS学び放題」というサービスです。

月割料金:¥1,650(年間プラン)、¥1,834(半年プラン)、無料体験有

講師  :多くの業界で実務経験を積んだお墨付きの教師

カテゴリ:思考、会計、財務、戦略・マーケティング、組織・リーダーシップ、変革、テクノベート、創造、キャリア・志

GLOBIS学び放題は「グロービス経営大学院」や多様なビジネススクールを運営している日本のグロービス社が提供するサービスです。「GLOBIS学び放題フレッシャーズ」という同社の法人向けサービスがSUBARUやKIRIN、産経新聞やPOLAなどの大手企業に導入されていることから、サービスの質が高いことは容易に推察できますね。

ビジネスで普遍的に求められる知識を学べるコンテンツが充実しており、初級・中級・実戦と段階分けも丁寧です。ビジネスに関する豊富なカテゴリそれぞれに実務を積んだプロの講師が割り振られており、高密度の学習が期待できます。1本あたり3分から学べる3900本以上もの動画からは、ハイテンポで実になる学習体験が得られるでしょう。

7日間の無料体験も用意されているので、思いついたら即行動です。定額型派のみなさま、まずはGLOBIS学び放題を実際に体験して知ってみることで、ホームスクーリング・ライフの第一歩を踏み出されてはいかがでしょうか。

 

3.無料提供型

買い切り型・定額型の並びの中で一際目立つ異才、無料提供型。社会人のスキルアップがノーコストで始められるなんて、そんな美味しい話が存在するのでしょうか。

実は存在します。ご紹介したいのは「JMOOC」というサービスです。

料金  :無料

講師  :大学講師(旧帝大、有名私立大講師多数)、国内シンクタンク研究員など

カテゴリ:アート・デザイン、教育と学習、健康と医療、高ガキ、コンピュータ化学、自然科学、人文科学、統計・数学、ビジネスと経営、資格・試験対策、JMOOC企画講座(理工・情報・ビジネス系)、AI活用人材育成講座

JMOOC(J・ムーク)とはMOOC(Massive Open Online Courses=大規模公開オンライン講座)の日本における普及・拡大を目指す日本の機関が提供するサービスです。大学講師陣や企業、研究所などが提供し公開する本格的なオンライン講義を、誰もが無償で受講できます。加えて、講座修了時には、修了証の発行も可能です。放送大学が主体となって運営しており、理事には筑波大学学長の名前も並んでいることから、無償サービスとはいえ信頼性が高いといえるでしょう。

10分×5〜10本の動画と確認課題からなる1週間が基本的な学習の単位となり、各講座は4週間程度で完了できるよう設定されています。4週の学習と課題が完了したら、最後に最終課題が用意されており、それを提出したのち十分な評価を得られたなら、見事修了証の獲得となります。アカデミックな講義と公的機関に保証された修了証は、確かな学びとその実感をもたらしてくれるでしょう。

またMOOCは日本以外の国でも採用されており、例えばアメリカ「Coursera」というサービスでは、東大、スタンフォード大、イェール大などの名門大学講師の講義が英語で公開されています。

広く深い学びの海辺に無料で立てること、本当に魅力的ですね。是非一度、チャレンジしてみることをお勧めします。

社会人の自宅学習を充実させる環境づくり

割り振られた仕事だけでなく自主的な学習を始めるとなると、自宅の机に向かう時間は急増します。そこで気を配りたいのが、学習をより快適に効率よく進めることのできるデスク環境の整備です。

まず目を向けたいのは机です。ホームスクーリングでは講義動画を視聴しながら勉強を進めることになるので、視聴用のパソコンとノートを並べられるだけの広さは必須です。奥行きが取れるものを選ぶと困らないでしょう。また紙ベースでの学習なら、手元に教材や参考書をしまう収納を設けて、いつでも取り出せるようにしておくと学習が捗ります。加えてお勧めしたいのが、スタンディング機能です。立った姿勢での学習は眠気を防止でき、気分転換にもなるので、座った姿勢との切り替えのできる機能があると学習効率は更に向上します。

そして言わずもがな最も大事なのが椅子です。通常の仕事に加え学習を進めるとなると椅子に座っている時間はどんどん長くなり、姿勢が悪ければ体への負担も蓄積していきます。自分の体に合っていて、疲れにくい作りになっているかを最優先に考慮しましょう。背もたれは高く、座面は体格に合わせたものを選ぶと快適です。合わせて、机の天板と椅子の座面の間隔も確認しておきましょう。30cm程度取れるとベストです。

また社会人の学習にはデジタル機器の導入もお勧めです。iPadなどを活用してノートを取ることで、書類の管理が容易になり、ノートの質も向上します。紙ベースの学習から移行してみると、学習に新たな楽しさを見出せるかもしれません。

加えて空間にも気を配ると、更に快適で集中できる環境が実現できます。例えば空気環境について、湿度や温度を快適に保つことで生産性が向上することが明らかにされており、エアコン、除湿器、加湿器を活用するだけでもより学習が捗る環境を作り出せます。またアロマの活用も有効で、お気に入りの香りを嗅いでリフレッシュすることで、集中をより長く保つことができます。

終わりに

社会人だからこそ、自宅学習でスキルアップを図ることは大きな意味を持ちます。確実に自分の成長につなげるため、サービス選びと環境づくりは真剣に行う必要があります。自分に適したサービスや製品を活用して、充実したホームスクーリング・ライフをお過ごし下さい。


コメントする