急成長を遂げるNFT市場、その興りから現在までの変遷に迫る

はじめに

近年大きな盛り上がりを見せているNFT(Non-fungible token)。かつてないほどの爆発的な成長を見せた市場です。今回はそのNFTについて時系列を追ってその市場の変化を見ていきましょう。

 

目次

1.NFTの登場

2.NFT市場のバブル期?

3.NFT市場の現状

4.NFT市場の今後

 

NFTの登場

NFTが注目され始めたのは2017年ごろでした。そのきっかけがカナダの会社によって開発された世界初のNFTゲームである“CryptoKitties(クリプトキティーズ)”です。猫を育成するだけのシンプルなゲームですが、育てた猫を交配したり売買したりすることが可能で人気を博しました。そこではなんと1匹1000万円以上で売買された猫のキャラクターもいました。驚きですね。ここから他の企業もNFTゲームを開発するようになり、プレイヤーもゲームをしながらNFTの売買で稼ぐことが出来る仕組みが出来ていました。

 

NFT市場のバブル期?

2021年にNFTの市場は大きく変化しました。まるでビックバンのように爆発的なヒットでした。そのきっかけとなった出来事が主に2つあります。1つ目は「NBA Top Shot」です。NFTで紐づけられたデジタル上のトレーディングカードが240億円分購入されたことです。2つ目が、デジタルアート作家Beeple氏のNFT作品が75億3000万円で落札されたことです。これらをきっかけに世界各国の大企業がNFT事業に続々と参入を発表して行きました。この時期は芸術品や収集品などにおいてNFTが多く用いられるようになりました。こうしてNFT市場は21年夏ごろから急速な盛り上がりを見せ、その勢いは22年4月あたりまで継続する形となりました。

 

NFT市場の現状

まるでバブルが弾けたかのように22年6月には、NFT販売額がピーク時を大きく下回る水準まで落ち込むこととなりました。これは何故でしょう。背景には、世界的なインフレおよび利上げによって引き起こされうる景気後退に対する懸念が仮想通貨やNFT市場にも影響を与えたのだと考えられます。

 

NFT市場の今後

現在NFT市場は混乱した状況にあるといえるでしょう。ではこれから、NFT市場はどのように変化していくでしょうか。果たして市場は終わってしまったのでしょうか。それは違います。今回は世界的な経済に対する懸念から多くの市場が低迷しているし、大きな取引は続いているからである。それがYuga Labsが開発中の新たなメタバース”Otherside”である。同社は2022年4月30日にOthersideのNFT土地証書を売り出した。その後10日間で約10億ドルにも及ぶ取引が行われました。

さらに世界的な市場調査を行っている「マーケットアンドマーケッツ」の報告では、NFT市場は2022年から2027年にかけて約4.4倍を超える規模にまで成長するという予測がなされている。また、NFTマーケットプレイスは全体の半分以上のシェアを誇っており、世界中の多くの企業や組織がNFT分野への参入を果たしています。今後その数が増えることで市場拡大が期待できるでしょう。

NFTの登場時、ゲームの分野でNFT市場を開拓したが、今後もこのゲーム分野がカギを握るでしょう。2022年におけるNFT市場自体の売り上げは第1四半期と比較して29%減少していましたが、ゲーム関連のNFTは昨年比で19%増加していました。仮想通貨業界は低迷しているが、一方で堅実な成長を見せているため期待できる分野でしょう。


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