前回、MDM(Mobile device Management) モバイルデバイス管理ツールの選び方についてお話しましたが、その進化版EMM(Enterprise Mobility Management) モバイル端末統合管理ツールについて触れたいと思います。
EMMは、さまざまなモバイル端末における管理ツール群が集まって統合されたものですと説明をしました。
しかし、どのようなときに必要となるのか、導入にあたって考慮する点について、お話をしたいと思います。
すべて会社で購入したモバイル端末を貸与して管理する場合にはMDMでも十分なセキュリティを保持することができるでしょう。しかし、個人の端末を業務でも利活用する「BYOD(Bring your own device)」の場合は状況が異なってきます。当然、業務用途以外でも利用することになりますし、様々な外部機器と接続をすることになります。
そうすると、MDMのように一括でログイン制御をしたり、アプリケーションのインストールを制限することはできないでしょう。内蔵のカメラで個人的な写真を撮ったり、外出先で自由にフリーアクセスポイントに接続といったことも起きてくるわけです。
そうすると、アプリ内のデータ単位で問題がないか、コンテンツやアクセス先をチェックする必要が出てきます。そこで、会社の端末と個人の端末の両方を採用しながら、情報流出を防止するという高度な管理することが求められると、EMMが必要となってきます。MDMのようにOSレベルのみの制御では十分ではなくなってきます。
そこで次に、導入を検討する場合にチェックが必要な点です。
- 価格
- 社員への信頼
- サポート体制
です。
価格
まず、最初に来るのは価格です。
通常製品の選定で価格が最初に来ることは少ないのですが、EMMは様々なツール群が集まったものですので、単体より大変高価な製品です。実現したい体制や目的と照らし合わせて、検討をしていただければと思います。場合によってはMDMの導入で十分といったケースもあるかもしれませんね。
社員への信頼
そして次に社員への信頼です。
これも珍しいチェックポイントです。BYODの場合、個人の端末に対して監視・管理を行うわけですのでプライベートデータが削除される場合もあります。導入にあたっては十分に目的と意図を説明し、運用に無理が生じないようにすることが重要です。
サポート体制
最後にサポート体制です。
常にすべての社員が利用する端末ですので、もし不具合があった場合には全社員への影響や、データを紛失してしまうという本末転倒の事象が起こることも考えられますので、ベンダーが十分なサポートを提供しているかチェックが必要です。
さらにEMMから管理する対象を広げたツール群もありますので、触れておきたいと思います。EMMは社員が使用するPCやモバイル端末が管理対象ですが、社内で共用利用しているプリンターやIoT機器なども管理対象に入れたいというケースもあります。その場合は、UEM(Unified Endpoint Management)統合エンドポイント管理ツールといったものもありますので、導入を検討する中で実はここまでを実現したいという目的がある企業の方ですと、選択肢に入ってきます。
いずれにしましてもどんなに高価・高度なツールでもセキュリティは100%ではありませんので、必ず人的な運用体制が伴うことが大切です。ぜひ自社の目的に適したモバイル管理ツールを選んでもらえればとおもいます。Telework.Aiでは有益な情報をご提供していきたいと思いますので、ぜひチェックをしていただければと思います。