タネから始まるホームガーデニングのススメ

 終わりの見えない自粛が続く中、思うように外出もできずに鬱屈した気分を解消できずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。外出が難しい今だからこそ、これを機に自宅で楽しめて気分転換にもなるガーデニングを始めてみてはいかがでしょうか。
 今回は、ガーデニングの中でも、種子のお話をしたいと思います。どのような花を育てようか決めた後には、その種子から育てていく必要があります。したがって、ガーデニングを始めるにあたって種子について知ることは、とても大切なことです。

球根と種子の違い

ガーデニングで植物を育てるには、種子から育てる方法と球根から育てる方法があります。まずは、そもそも種子と球根の違いは何なのかについてご説明させていただきます。分かり易く言えば、種子は元の植物の子供であり、球根は元の植物のクローンです。
球根は、茎や根などに栄養が蓄えられて肥大化したものです。つまり、元はひとつの植物の体の一部なのです。したがって、元の植物のクローンということができます。これに対し、種子は、植物の胚珠が受精することにより発達したものです。したがって、種子は元の植物の子供ということができます。

 

種子の種類

先ほど、球根と種子の違いについてご説明させていただきましたが、種子も2つの種類に分けることができます。

ひとつは、光がうまく当たっていないと発芽しない好光性種子です。好光性とはいっても、まったく土を被せないと風に飛ばされたり鳥に食べられてしまうことがあるため、薄く土を被せたりして種を蒔きます。好光性種子には、カスミソウ、ペチュニア、プリムラ、マーガレットなどがあります。

もうひとつは、光が当たってしまうと発芽しない嫌光性種子です。嫌光性種子は、種の厚みの2倍の深さで覆土します。嫌光性種子には、パンジー、コスモス、シクラメン、スイートピー、ヒマワリなどがあります。

種の蒔き方

 また、種の蒔き方については、「すじまき」、「点まき」、「ばらまき」という3つの方法があります。
 「すじまき」とは、まっすぐな棒状のものを土に押し当てて、直線のくぼみを作り等間隔で一列に蒔く方法です。等間隔に種を蒔いているので、ばらまきよりも間引きが簡単です。

 「点まき」とは、土に丸いくぼみを作り、そこに3粒ほど種を蒔く方法です。初心者の方でも、簡単に種を蒔くことが出来るのが特徴です。

「ばらまき」とは、名前の通りばらまくように種を蒔く方法です。すじまきや点まきにくらべて、種を蒔く労力や時間を少なく済ませることができます。

最初は育てやすい花を

 花も生き物です。種子や種の蒔き方について学んだとしても、学んだ通りに実践したら必ず上手くいく、といったものではありません。虫の被害を受けたり、思う通り育たなかったりすることはあります。なので、最初は育てやすい花で、実際に育ててみる経験を積むのが良いのではないでしょうか。例えば、手入れが少なくて済むローズマリーやマーガレットなどがおすすめです。

おわりに

家にいる時間が増えたからこそ、家に憩いの空間が必要になってきているように思います。花にはリラックス効果があるといわれています。このような状況だからこそ、ガーデニングで自宅に憩いの空間を設けるのも良いのではないでしょうか。